電車のはじっこの席に、スマホの忘れ物があった。

拾おうかとおもったが、おりるだいぶ前に拾うのもなんか万引きみたいに見えるなとおもったので、拾うとしたら電車をおりる直前にしようとおもった。

わたしが降りるまでに、誰かが拾うのかどうかみてみようと思った。

まぁ、みんながみんなスマホが置いてある席を一瞥して避けていく。

一人、スマホの席に背中をつけてよっかかってたっていたおじさんが、自分のスマホをいじりながら無意識にその席にすわった。そして、自分の股間に違和感を感じ、忘れ物スマホに気付いてちょっとがに股にしたまままた立ち上がってもとのポジションにもどった。

これが日本人か、そうおもった。

ただ、忘れ物のルール的に、Googleで、
「電車 忘れ物 届ける」で検索してみた。

どうやら届けると、何号車のどこらへんに落ちていたかなど詳しいことを色々聞かれるらしい、そのためみんな面倒くさくて放置してるのだろうとおもった。

7号車の進行方向にむかって優先席の次の座席
と頭にインプットした。

すると、ふと忘れスマホ席の横に少年が座っていた。
そして、なにやら車両のところなどをチラチラ見ては自分のスマホにメモをしているようだった。

ついに拾うひとが現れたのだ。
しかも、忘れ物の届けについてしっかりと知識をもっている、この人に任せようとおもった。

その人は、一通りメモを終えると、忘れ物スマホをすこしはじに寄せて、まるで守るようにその席に移動した。

わたしは、少年が降りるとこを見届けたかったが、自分の降りるべき駅で降りた。